ホーム > 心の居場所(2011年11月号)
      共に生きるという課題に向き合う
   〜リハビリテーション学会に参加して〜

秋も深まり、2011年も残り少なくなってきました。みなさまお元気でいらっしゃいますか。
 東日本での震災、津波、原発事故もあり不安を抱えて生活する日々が大きく影響しているのでしょう。失業者も増え、自殺者も増えています。精神疾患は323万人を超え、237万人の糖尿病、152万人のがん(いずれも2008年厚労省調査の数字)、脳卒中、心疾患と並び、今年「5大疾病」と位置付けられました。こんな時こそ、心の居場所が必要となり、弱さを一人で何とかしようと思わないで、力を寄せ合って共に生きていくことを日々の暮らしの中で実践していくことだと思っています。
 第19回日本精神障害者リハビリテーション学会in京都大会に、スタッフと一緒に参加してきました。大会テーマは、「はんなりと たぎる 共生(ともいき)を考える」。「今回の震災にともなう国の対策のドタバタで、その歪みが露わになりました。古い枠が崩れて生まれた自由と、枠が崩れて問われる主体性。私たちは、互いの違いを認め、違いを超えてどのように共に生きるかを問われている時代の転換期にいます。古い枠の中で、戦うために身につけた気負いやパフォーマンス、威しや護り、すべての鎧を脱ぎ捨て、はんなりとたおやかに、今、何をすればいいのか、何ができるのか、明日に向けて熱くたぎる時と場をここに提供します。」(大会長 山根寛さんの言葉)
 そして、檀上に登ったのは山根寛先生初め、様々な立場の人たち10名です。精神科医師、看護師、作業療法士、病院及び作業所の精神保健福祉士、社会福祉士、臨床心理士、家族、2名の当事者。当事者からの切実な声、「安心して地域で暮らしたい」を皮切りに、フロアーの参加者を巻き込んで、思いの語り合いです。まさに、リハビリテーション学会にふさわしい、多職種がチームを組んで連携し、精神保健・医療・福祉を質の高い地域生活中心に変えていこうという議論の場ができたのでした。来年のリハビリテーション学会は、2012年11月16日〜18日、神奈川県横須賀市に決定です。ご一緒に参加しましょう。(松浦幸子)