クッキングハウスからこんにちは No.107

目次(青字の記事を抜粋してあります)2006年4月17日発行

目次
巻頭言 総会のご案内…1、三つの場から夢を語る…2、3動くクッキングハウス…4
レポート バングラディシュの子どもたち展・・・7、メンタルヘルス市民講座…8
ご寄付に感謝、河津いりあい村の旅…9、ピースな話題・春の巻…10、
見て学ぶSSTビデオ教材・いい本ができました…13、イベントのおしらせ・文化学習企画…14、
松浦幸子講演スケジュール…16、各地からありがとう…16、紹介されました・お休みのお知らせ…16


2006年度も好調にスタート
〜三つの場から夢を語る〜

<第一クッキングハウス・ティールーム>

さらに魅力的な店作りへ ミーティングが充実
 メンバーとスタッフがパートナーシップの関係で協力して喫茶活動をしていくことの工夫として、厨房担当メンバー、ウェイトレス担当メンバーでこの1年間で8回ずつミーティングを行いました。基本的なマナー等を確認したり、お客様が居心地よく過ごしていただけるようなお店作りを話し合う場となり、メンバー自身が自信と喜びをもって喫茶活動に取り組めるようなミーティングとなりました。このミーティングを通して、@仕事をしていく上でのコミュニケーションを身につけることができた。Aチームワークが深まった。Bレベルアップにつながった。などの成果もでてきました。

 またさらに市役所や福祉センターへの納品も定期的に行えるようになったり、紹介会や講座などで沢山のお客様が来る時などの宣伝などメンバーの力が大きかった1年でした。
 今年度は合同のミーティングを増やしたり、ミーティングででた、課題やアイディアなどを試したり進めていきたいと思います。


一人暮らし支援グループがスタート 
 月に一回、一人暮らしのメンバーやこれから一人暮らしを始めようとしているメンバーのセルフヘルプグループが始まって1年が経ちました。
 SSTと同様にウォーミングアップから始め、近況を語り合い、本『私もひとりで暮らせる』の「一人暮らしを快適にする六つの条件」の章を読み合わせして感想を語り合ってきました。今後も、一人暮らしを続けていく中での不安や困っている事などが話せて、これから一人暮らしを始めようとしているメンバーへのアドバイスなどが聞けたりなど、お互いに支えあって、安心して気持ちを語れる場として定着していければと思っています。

新商品ピースケーキ・ピースビーズ発売!

 昨年8月に行われた憲法フォークジャンボリーでティールームオリジナルの新商品を販売しよう!ということで考案されたのが、「蓮の実入りのピースケーキ」と「Pと9をデザインしたビーズネックレス」です。
 商品ができるまでは試行錯誤の日々でしたが、ボランティアの円さんや久寝さんの協力もあってなんとかコンサートまでに間に合わせる事ができました。
 今年度はティールームでも9の日の平和ランチの日に合わせて、ピースケーキの販売を行ったり、蓮根を使ったお菓子作りにも取り組んでいきたいと思っています。どんなお菓子が登場するかどうぞお楽しみに!(中津川典子)


<第二クッキングハウス・レストラン>

♪地球にやさしいエコレストランを目指します♪

 今年のレストランのテーマはエコロジー。地球にやさしいレストランをさらに目指して、つくっていきたいと思います。
 1つ目は食材です。今までも生活クラブやみさと屋さん(近所の自然食品のお店)で食材を調達してきましたが、長野県八千穂村で無農薬野菜をつくっている織座農園さんの野菜も取り入れることになりました。大地とやさしい関係を保ちながら、地球の未来を考えてつくっている野菜です。しかもその野菜は味がしっかりしていて、とてもおいしいのです。皆様お楽しみに。

 2つ目はレストランのたくさんの洗い物を効率よく洗う「洗い方教室」をひらくことです。水もガスも地球の大切な資源。経済的にも負担が軽くなります。みんなで工夫をしたいと思います。

 3つ目はせっけんづくりです。レストランの廃油の一部は今までもクッキングスターでせっけんにしていましたが、今年は廃油のすべてをせっけんに! 油汚れも、換気扇のおそうじもこれひとつでOKの台所用せっけんをつくります。レストランで使ってもあまった分は、お客様にもお分けしたいと思います。
 また、今年は9のつく日の「平和ランチ」をさらにグレードアップしていきます。穴が9つの「れんこん」を取り入れたランチとセットに、ピースフルな午後を過ごせるようなコンサートやお話も企画したいと思います。
 レストランのメンバーとスタッフが、少し顔ぶれもかわり笑顔でお待ちしております。どうぞお越しください。(林由佳里)


<第三クッキングハウス・クッキングスター>

 キーワードは、語って、学んで、文化して!

 今年度のスターも、大いに語り、よく学び、そして文化を発信する場として活動していきます。
 スターでは、ティータイムや夕食後の語り合いを始めとして何でもミーティングやハローお仕事ミーティングなど、安心して自分の気持ちを語る場を大切にしています。語ることで自分を見つめ直したり、お互いの話をよく聴いて共感したり、元気や勇気をもらうことがたくさんあります。

 学習活動は、SSTや「キミコ方式」、健康教室、クラブハウス学習会などで学びを続けています。今年の11月、富山で開催される精神障害者リハビリテーション学会では、「キミコ方式」で絵を描くことで心の病が回復していったプロセスなどを、12月のSST学術集会in名古屋では、SSTの日頃の成果をメンバーとともに学会発表予定です。また、今年度は本の朗読会など、本に親しむプログラムも考案中です。 

 そして、こうしたプログラムやコンサート、さまざまな行事を通して市民の方がたと交流していくことを大切にしたいと考えています。こころ優しい文化の発信を今日も目指して、語って・学んで・文化して、そしてまた歌って踊る、元気なスターの活動をどうぞお楽しみに。(田村陽子)


動くクッキングハウス日記〜in金沢 紅茶の時間〜
<3人の女性のジョイントのキーワードはピース>

長い冬が終わりようやく桜のほころびかけた北陸津端町。金沢駅から七尾線で15分。中津端駅は小さな無人駅。水野スウさんのとくべつ紅茶になんと、広島、京都、奈良、滋賀県、新潟、富山と45名の方達が集まって下さった。まきストーブが部屋の真ん中で踊るように燃えていて、座布団に座った一人一人の顔が輝き、部屋の回りにはピースキルトや「いつもとちがう空を見よう」のピースウォークの横断幕や手作りのピースの旗が飾られ、いい気がいっぱいに満ちている。

 対談する3人の女性とは、1982年から地域の子供達や母達にはまなす文庫を開き、平和への思いを子供達に絵本や宮沢賢治を通して読み聞かせ続けてきた細川律子さん。岩手県で生まれ育った細川律子さんの宮沢賢治の朗読は、沢山の子供達や母達の会でも行われるようになっている。「花菜畑」(雪嶺叢書)「宮沢賢治の国より」(雪垣社)はずっと私の好きな本だった。こんなに故郷をしっかり根っこにして、ものの見方を深めている細川律子さんのお話をじっくり聞いてみたいと思っていた。

 2人目は紅茶の時間を1983年からやり続けている水野スウさん。おしゃれで、理性的であったかい気持ちいっぱいの、私の憧れの大人の女性。「きもちは言葉をさがしている」の本はすっと心ひかれ手元に置きたくなる。
 3人目は、私、松浦幸子だ。

 私は、細川律子さんと水野スウさんと私と共通なものを持ちながらも、私がなかなかできなくて憧れてしまう面をもった女性の話を聞きたいな、と夢を語ったら、本当に実現できることになった。
 水野スウさんも、「夢のような3人ジョイントがほんとのことになりました。これも夢の実現ですね。幸子さんはいつもいつも夢を描いている。それがもう生き方になっているのだなって思いました。苦しい日々でも夢をあきらめないこと。小さなできることをこつこつと。それが夢の実現につながってゆくことを松浦さんから学んだんです、私も。」と書いて下さった。

 スウさんのパートナー、まあさんの用意してくれたベンチに3人は座り、そばにはすいせんの花の香り、春の山に咲くキクザキイチゲの紫の花、3月に出会った小谷青年の持ってきてくれた桜の花が飾られた。アイデアに感心したのは、スウさんの作成した「3人のつながり年表」だ。3人の活動が自分の足元から始まり、多くの人たちとつながっていく現在までの歩みが「つながり」というキーワードで書かれている。

 プログラムの一部は、3人のつながり物語で始まった。
 参加者は、「3人の話が一度に聞けるなんて、盆とクリスマスと正月が一緒にきたようです。」「幸せの三点セットおまけつき!!」と喜んでくれた
 二部は、それぞれの居場所から考えるPEACE。3人のつながりはPEACEという共通項にたどりつく。私はベンチに座っている3人が、もし船をこぎだすとしたら、食べものが豊かに作れる土地があり、生命が大事にされ、差別や戦争のない平和な島にたどり着けるように、力をあわせるのだろうなあ。そしてどこに行っても、3人は人々が楽しく語りあえる居場所を開くのだろうな、と思い描いた。

 私は、クッキングハウスという居場所が弱い立場におかれた人達に安心感をプレゼントし、一人一人の希望を実現していくために、どうしても平和が必要だと思い、9のつく日にピースランチをつくったり、平和葉書やバンダナ、クッキーをつくっていること、れんこんの会で一緒にピースナインコンサートをやったこと。ピースナインに踊りをつけて「ピースナイン音頭」にして、みんなで楽しくうたって踊っている話をした。「踊ってみせなきゃ!」のまあさんのかけ声に、ピースナインの踊り付きになり、どこに行っても「動くクッキングハウス」をやっているなあ。
 水野スウさんは、ピースウォークの話。“いつもとちがう空”をうたいながら、金沢の街を歩く。35年間の家族の暮らしをぜんぶ縫いこんだピース旗やほうきを持ちながら。

 細川律子さんは、子どもたちとつくった願いのいっぱいつまったキルトを飾り、子どもたちに戦争を体験した人の願いや、深いメッセージが表現されている絵本を読み聞かせているお話。
 三部は、細川律子さんの宮沢賢治の朗読タイム「けんじゅう公園林」けんじゅうという青年が植えた杉の苗が大きくなり、そこでいつも子供たちが楽しく遊ぶようになったけんじゅうの両親は、どんなことがあっても林を売らずにけんじゅうの夢を守り通したので、今では公園となってみんなが楽しく遊べる場だ。細川さんが岩手の言葉でまったく自然に優しく朗読すると、賢治のすべての言葉がなんの無理もなく、すっと心に溶け込んでくる。賢治の表現した言葉の美しさ、理想とした平和な世界が素直に心に落ちてくる。

四部は、参加者からの気持キャッチボール。
 “いつもと違う時間をもとう
  きもちの糸は つながっている
  クッキングハウスと紅茶の時間
  みんなと過ごせるこのひとときは
  いつもとどこか ちがう とき”
みんながうたって終了。
 そのあとは一品持ち寄り夕食会。昆布巻き、笹団子、つくしの酢の物、いわしのしょうが煮、蓮根のきんぴら等、地元の心尽くしの一品をいっぱい食べて語り合って・・・。(松浦幸子)

学び合い語り合うメンタルヘルス市民講座

昨年度(2005年)の講座も沢山のかたが参加してくださり、好評のうちに終了しました。第3回目(冬期)のシリーズでは、全5回通して参加してくださった方が7名もいて、最終回では恒例となった終了式を行いました。
 メンバーの勝田さんがパソコンで作ってくれた終了証とケーキセットのご招待券を準備して、お一人お一人に写真撮影をしながらのプレゼント。皆さんとても喜んでくださり、最初は終了者の方と松浦さんのツーショット写真が是非メンバーの方もご一緒に!とリクエストがあり賑やかなひとときになりました。

 市民講座も回数を重ねてきたことで、メンバーと講師の松浦さんとの呼吸もぴったりあって、打ち合わせをしたわけでもないのにその場ですぐにSSTのロールプレイを披露したり、そのときの講座のテーマとポイントを押さえ自分の体験をメンバー達が語るなど講座全体がますます充実してきました。

 また第3回目から講座終了後に、参加したメンバーとスタッフで振り返りを行い、気持ちを語り分かち合う時を持ちました。この時間は私達に、ともに学ぶ大切さや、新しい発見また気づきを与えて確認できたとても貴重な時間ともなりました。この語り合いの時を参加してくださった方たちとも共有してみたいとのメンバーからの提案で、今年度の講座からは全6回シリーズとなり、最後の6回目は交流会にして、参加した方達との語り合いの時間として企画しました。お茶とお菓子を食べながら、この講座で出会った方達と温かい時間をもてればと思っています。

 第1回(春期)は6月から始まります。初めて参加される方はもちろん、以前参加された方も大歓迎!皆さんの参加をお待ちしています。(中津川典子)


<メンタルヘルス市民講座 日程>
第1回 6月6日 (火)病気のつらさ・生活のしづらさ
第2回 6月13日(火)回復に向かって〜市民としてどう付き合えるか、どう付き合ってほしいか
第3回 6月20日(火)こころの病気の基本的な理解(第一部)
第4回 6月27日(火)こころの病気の基本的な理解(第二部)
第5回 7月4日 (火)回復のために使える社会資源〜医療・福祉・地域生活・住宅・就労・楽しみかた等
第6回 7月11日(火)交流会〜お茶を飲みながら楽しく交流しましょう
            (新しい提案が実現。楽しみです。)


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