クッキングハウスからこんにちは No.158

目次(青字の記事を抜粋してあります)2014年10月6日発行

 もくじ
巻頭言:平和の暦コンサート…1、上海・魯迅の旅…2、路地裏フェスティバル…3、メンタルヘルス市民大学…4、動くクッキングハウスin金沢…5、父親学習会、メンズグループ…6、マッシー連載…7、団体のお客様、賛助会御礼、織座農園お話し会…9、文化学習企画…10、仲間紹介、各地からありがとう、スタッフ募集…11、動くクッキングハウス,お知らせ…12


メンタルヘルス市民大学 開講中

今年のテーマ「弱さについて考える」第3回講義より
1945年終戦の年、満州から日本に引き揚げる途中の収容所で生まれた松崎運之助さん。栄養失調で骨と皮ばかり、いつまでもつだろうかと心配だった赤ちゃんを、無事に日本に連れてかえることがお母さんの生きる希望でした。誕生日がくる度に、母の話を聞かされて、誕生日は命のつながりを考える日だと思って大きくなっていったのです。

私の誕生日には、母は私を正座させて、私が生まれた満州のことを話しました。
「たくさんの命が亡くなった。幼い命はお菓子を口にすることもなく、オモチャを手にすることもなく亡くなった。その子たちのお余りをもらってオマエは生き延びてきた。オマエの命のうしろには、無念の思いで死んでいったたくさんの命がつながっている。このことをけっして忘れてはいけない。自分ひとりで大きくなったとか、自分さえよければ、という考えはとんでもないことなんだよ」    
~中略~ 人それぞれに自分の花を咲かせればよい。人それぞれに、目の前の人生の役割を果たしていけばいい。生きている、そのことがすばらしいのだからー。       「路地のあかり」より
貧しさの中を母と生き抜いてきた松崎さんは、東京に出て新聞配達や工場で働きながら、夜間大学に通い、卒業後夜間中学の教師になりました。
そして、貧しさや戦争で学校に行けなかったことで文字が読めないことから差別を受け、苦労の人生を送ってきた年輩の生徒達に、学ぶことの喜びを教え続けてきたです。
だから松崎運之助さんは、効率的で日の当たる大道よりも、路地裏が大好きです。
みんなが集まって語り合うグループの名前も、“路地裏”です。旅の案内をしてくれる時も、その町の路地ばかりを歩きます。路地には、人間の優しさと温かさと、人間らしい暮らしの絆があるからです。
私は、「路地のあかり」を何度も泣きながら、文字がかすんでしまうので目をこすりながら読みました。そして、今年のテーマ「弱さについて考える」の「研究しよう」の視点をこの本から発見したのです。
第5章「夜間中学のあかり 教室が広場」の一場面。ひらがなの“あいうえお”から勉強が始まる夜間中学。大変な緊張の中、文字を書いて覚えようとします。“あいうえお”文字の順番から、大きな発見をするのです。
「あいうえおって、“あい”から始まっているのね。なんでも“あい”が最初にくるのね。“あい”が一番なのよね。」   (「路地のあかり」より)
発見した感動から、研究が始まるのです。私たちも、自分の弱さを見つめ、弱さに感動し、そこから輝くものを発見し、自分自身を研究してみましょう。  (松浦幸子)

メンタルヘルス市民大学 今後の予定
第5回  10月25日(土) 当事者研究②
第6回  11月22日(土) 当事者研究③ 閉講式・交流会
講師:松浦幸子(クッキングハウス代表)とクッキングハウスのメンバー達
時間:各回 13:30~16:00   参加費:各回2,000円(ティータイム付)
場所:クッキングスター    ※要予約 042‐498‐5177     
     ※講座前の12:30~ランチができます。参加費500円。併せてご予約ください





動くクッキングハウス in 金沢

9月27日、28日の2日間、石川県金沢市の上荒屋クリニックの「えがお」と、水野スウさんの「特別紅茶」で、コミュニケーションワークショップが開催されました。二日間の豊かな学びの様子を早速にスウさんが伝えてくれました。

…スウさんのブログより…
輪になって、ひとりひとり今のきもちを「わたしメッセージ」でかたる「気分調べ」。それをみながていねいに聴く、共感のきもちをもって、話をさえぎらずに、助言もせずに。そのことがまず、安心の空気をみなで創っていくことでもあることだと、実感する時間。もうここからすでに、きもちを話すこと、聴くこと、の練習がはじまっているのでした。
今年は特に、参加しているひとからだされる課題を中心に、と松浦さんにお願いしてました。
ひとりひとりの、迷いや、かなしみや、揺れる心や、どううけとめていいのかわからない、どうしたいいのかわからないきもちや、または具体的な課題など。
松浦さんが、その人のきもちを受けとめつつ、同時にもじゃもじゃになってるきもちの交通整理もしながら、この方にはSSTで、この方の場合にはサイコドラマで、と、参加してるひとたちにも協力してもらいながら、勇気もって課題をだしたひと自身がそこから光やヒントをみいだせるようにと、ワークショップをすすめてく。
それはまさに一期一会の、にんげんライブ。さっちゃんマジックのよう。
そこで語られることは、とてもプライベートなことなので、ここには記さないし、また、ひとにも語らないけど、自分からは課題をだしていない私も、その場面から気づくこと、感じとることいっぱいの、とても実りの多い一日でした。
きもちを安心して語れる場があること。そこがSSTの一番大事な出発点ですよ、という松浦さんの言葉に、とても安心します。






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