クッキングハウスからこんにちは No.169

目次(青字の記事を抜粋してあります)2016年8月5日発行

 【 も く じ 】

 ・ 巻頭言:命の尊さを踏みにじられた尊さ
 ・ メンタルヘルス市民大学
 ・ メンタルヘルス市民講座
 ・ オランダの精神科医療を学んで
 ・ 夏の日帰りバス旅行
 ・ 「不思議なクニの憲法」上映会
 ・ うたづくり教室・テニスグループ
 ・ いい本が出ました・賛助会御礼
 ・ 文化学習企画
 ・ 動くクッキングハウス・各地からありがとう



メンタルヘルス市民大学 “輝いてこそ いのち”

どうしたら、心を平和にして生きていけるのか。
どうしたら、心豊かに生きていけるのか。どうしたら、自分のいのちがいっぱい輝けるのか。
私たちみんなが願っていることです。でも、現実の社会状況は、心の問題が深刻です。
災害、戦争、テロ、飢え、失業、貧困、子どもの虐待。ひとりで不安を抱え、
孤立している人たちのことを思うと、心の居場所クッキングハウスに出会って、
元気になった私たちこそが、希望を発信していかなければならないと思うのです。
メンタルヘルス市民大学は、そんな思いで毎年の開講が楽しみに待たれ、
2016年、7期目を迎えました。去年の「いのちの重み」からつながって、
今年のテーマは「輝いてこそ いのち」。
第1回目は、「自分のいのちが輝いていると思うとき」です。


マインドフルネス

「人生は苦しみに満ちています。
 しかし、人生にはまた、青い空、太陽の光、赤ん坊の目といった、
 素晴らしいことがいっぱいあります。苦しむだけでは充分ではありません。
 苦しむばかりでなく、人生におけるさまざまな素晴らしいことと、つながりをもつべきです。
 素晴らしいことは、私たちの内にあり、まわりのどこにも、いつでもあります。
 みずからが幸せで平和でないならば、愛する人たちや、同じ屋根の下に
 住む人たちとさえ、平和と幸せを分かちあうことができません。
 平和で幸せであるならば、私たちは微笑し、花のように咲き開くことができます。
 家族全員、社会全体が、私たちの平和の恩恵を受けます。
 青い空の美しさを楽しむために、特別な努力の必要があるでしょうか。
 楽しむ練習をする必要があるでしょうか。いいえ。ただそれを楽しむだけです。」
       (ティク・ナット・ハン『仏の教え ビーイング・ピース ほほえみが人を生かす』より)


私の尊敬する詩人・平和活動家としても名高いベトナム出身の僧侶ティク・ナット・ハンは
ベトナムが解放され平和になるための激しい闘いを、瞑想し、心にゆとりをもち、
常に自らの心を平和に保ちながら行ってきました。そして長い年月、世界中の人々に希望を与えてきました。

 「マインドフル」を提唱し、今ではマインドフルネスが、心の問題の解決に最も効果が大きいと
世界的にも認められ、実践されるようにもなりました。


「 『マインドフル』とは、自分を、他の生命を、地球環境を深く見通すこと。
  マインドフルとは、ばらばらになった心を、たちまちのうちに呼び戻し、ふたたびまとめあげる奇跡です。
  そうしてこそ、人生の一瞬一瞬を充分に生きることができるようになるのです」
       (ティク・ナット・ハン『マインドフルの奇跡~今ここにほほえむ~』 荘神社)

自分のいのちが輝いていると実感するために、自分の呼吸に集中します。
静かにほほえみながら、ゆっくりと息を吸い、吐くことだけを意識します。
そうすると、まるで川の水が澄んできて、川底が見えるように、濁っていた意識が澄んできて
心が平和になるというのです。呼吸に集中して、今、生きているこの瞬間を味わうだけでいいのです。
そんなほほえみの呼吸をしたあと、自分を眺めてみましょう。

そして、当事者研究発表は、メンバーの2人。
 (中略)
2人の発表のあとは次々手が挙がり、シェアしたい気持ちが素直に語られました。
 
ワークでは、“輝き”からイメージすることを書き出して、小テーブルごとに発表し合います。
場の空気が明るく変化してきました。
笑顔、星空、赤ちゃんの顔など、「輝き」を語るそれぞれの顔が笑顔になり、
まさに輝きに満ちていたのです。
私のテーブルで一緒だったメンバーに「ほら、みんなの顔を見てごらんなさい。輝いていますね」と伝えると、
あっと驚き、「初めて見ました!輝いている顔ってステキなんですね!」と大感激。


次のワークは、「いのちの輝き探し」。
自分のいのちが輝いていると思うときを書いて、発表です。
小テーブルごとに順番に語り合い、2周目はシェアし合います。

最後はティータイムで、全体でのシェアリングは、感動に溢れていて、
共に学べる幸せをじわっと感じました。
「メンタルヘルス市民大学ってこんなに楽しい学びだったんですね」
「いのちの輝きって、最も大切なことなのに、そのことを学ぶチャンスがなかったなと気づきました」
「自分が受け入れられている場にいることの幸せを感じました」
「当事者研究で、すぐに心から褒めるメンバーたちの言葉を聞いていて、
 幸せを感じました。今日は“行ってこよう!”と家をスタートしたときから、輝きの1日でした」
「自分では、すぐに輝きをイメージできなかったが、みんなの話を聞いているうちに、
 段々と心が豊かになっていくことに気づきました」。 (松浦幸子)


<<ホームへ戻る

<<通信一覧ページへ戻る