ホーム > 心の居場所(2016年4月号)
積み重ねてきた実践が理念に


 1.心病む人とともに、この街で豊かに暮らす
 2.安心して、自分らしさを取り戻せる居場所
 3.当事者としての誇りを持つ
 4.メンタルヘルスを共に学び、理解を広げる
 5.心優しい福祉文化をつくり、希望を発信していく

 熊本大地震で被災された皆様に、心からお見舞い申し上げます。無事であること、早くいつもの暮らしに戻れることを祈っております。
 5月21日(土)に、クッキングハウスの総会がにぎやかに終わりました。原点に戻り、クッキングハウスの29年の実践の中で、私たちが大切に積み重ねてきた理念を確認し、すべての活動をこの理念に照らし合わせ、見直しを行いました。
 “「おいしいね」から元気になる場”は、日常の活動の合言葉です。しっかりごはんを食べることができれば、元気になります。生きていることが、なによりも大事なことなのだと分かります。その基礎がしっかりあるからこそ、理念を掲げて、実践していけるのだと思っています。そして、クッキングハウスの家がほしい、という夢も語ることができました。
 街の中に心の居場所を開いてよかった、と心から思えた出来事がありました。薬を中断し、症状が活発になり、家に落ち着いていられず、日常生活がうまくできなくなっていたメンバーのことを1年余りの間、ご家族と一緒に心配していたのですが、体も疲れ、お腹もすかせて、ずぶ濡れになって、クッキングハウスに戻って来てくれました。ご飯を食べ、体を綺麗にしてから、私たちの説得を素直に聞いて、休息入院をしてくれたのです。ここは、疲れたときは、いつでも戻ってきて、自分らしさを取り戻せる港だったのです。                        (松浦幸子)