ホーム > 心の居場所(2025年4月号)
当事者の時代をつくっていこう
実践の中で対話をしながら


ようやく厳しかった冬が去り、春がやってきました。皆様、お元気でいらっしゃいますか。
今年の10月1日で39周年になるクッキングハウス。当事者の時代を迎えるための歴史を積み重ねてきました。
1987年、心の居場所クッキングハウスを開いた時はあまりにも閉鎖的な精神科医療と貧しい福祉を何とかしたいと、必死な思いからでした。
まさに絶望的な状況から希望を求めての活動でした。
5年後、障がいを持った人も持たない人も共に交流して生きていきたいと開いた家庭料理のランチレストラン。
メンバーたちと一緒に社会参加をしていく機会となりました。
心の病気になったことを隠さなくてもいい。
むしろ、つらい中を懸命に生きてきたことを誇りに思って堂々と暮らしていいのだ、と意識を変えてきました。
10年目に出版した「不思議なレストラン」では、
抑圧された精神科医療や内なる偏見から自由になりたいと切望している思いをそのままに書きました。
今回は私が書いたけれど、きっと当事者が自分の言葉で語りだせるようになるだろう、と希望をこめて。
心が解放されていくように、おいしいご飯をつくって食べて語り合い、学び合い、うたをつくり歌い、
一緒に旅をして人生を少しでも豊かにしようと活動してきたことの積み重ねで、
2009年、当事者会「夢tomo」が誕生しました。開設から22年経った時です。
たくさんの語り合いの中から夢tomoの理念ができあがりました。
世界の仲間に届けたいと、完成した理念には英語訳もつけることができました。                            (松浦幸子)